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VM53R開発プロジェクトを追う

もっと削れる、何でも加工できるマシンを開発せよ。

OKKの数ある製品の中でも、VM5シリーズは最も汎用性の高い、オールマイティな工作機械だ。お客様からの信頼も高い。しかし、販売から数年経ち、機械のスペックにもやや物足りなさが出てきた。デザインにも「今」を感じさせる魅力が乏しい。競合他社の新しい機械も市場に押し寄せている。「よく削れる機械が欲しい」そんなお客様の声も営業に届いている。
「もっと削れる、何でも加工できる、新しいVM5シリーズを開発し、シェアを奪回する」。社内の「開発委員会」が本格的に動き出した。開発を担当するのは技術開発部だ。これまでVM5シリーズの設計に携わってきた村上章に白羽の矢が立った。「新マシンのすべての設計をまかせる」。入社9年目の村上にとって、最高の舞台が幕を開けた。

魅力的な車のようにお客様を魅了するデザインを。

まず村上が取り掛かったのが、既存のVM5Ⅲの機能の底上げをしていくことだった。その作業によって、新シリーズ設計の情報を整理した。次に取り組むべきは、機械のスペックアップだ。元来よく削れる機械であるVM5Ⅲを、さらに削れる機械にするための試行錯誤が始まった。さまざまな検討を重ねた結果、村上が上司と相談し出した答えは、良く削れる他の機種と統合することだった。
村上自身が最もこだわったのが、マシンのデザインだ。カラーもスタイルも既存のマシンから一転し、カッコイイマシンを設計したいと考えた。性能の高さはもちろん、スタイリッシュでパワフル。ドライバーを魅了する車のように、お客様を魅了する新しいマシンを作りたい。もちろん、お客様がより使いやすいように操作性にもこだわった。

性能は上げる、しかしコストは絶対に上げない。

開発業務のミッションは、機械の性能アップだけではない。最もタフなミッションは、機械の性能を上げても、販売価格は上げないこと。すなわちコスト意識を持った開発が不可欠だ。
販売価格を上げてしまえば、どんなに良い機械でも、マーケットでの競争力は落ちる。そして、生産現場での組み立てやすさも設計の重要なポイントになる。生産に時間がかる機械では現場に負担がかかり、それはそのままコストに反映され、販売価格のアップにつながってしまう。村上は何度も製造現場に足を運び、現場の担当者の声を集め、それを設計に反映した。

自分との闘いを制する。それも開発の仕事

これまでVM5Ⅲの設計に関わってきた村上には、膨大なデータがあった。新シリーズの設計のベースにできるというアドバンテージだ。しかし、それは時に、開発業務の足かせにもなった。「設計の考え方や方向性が、どうしても前の機械と一緒になってしまう。考え方の切り替えが難しい」。
そんな時、村上は一旦、目の前の仕事を離れて、冷却時間を置いた。幸い、新マシンの開発以外にも、お客様からのオーダーを形にするという通常業務もある。忙しいが、その忙しさが村上を救った。それでも行き詰まった時は上司に相談し、アドバイスを仰いだ。開発ならではの苦しみをなんとか乗り切った。

開発のゴールはもう目の前。デビュー戦が始まる

ようやく設計が完成した。生産に入る前には、製造部をはじめとする社内の各部門を集めて説明会を開く。展示会の日程はもう目の前だ。展示会でお客様に試作機を紹介する、それはまさに新マシンのデビュー戦。社内が大きく動き始めた。
村上自身も展示会へ足を運んだ。OKKのブースでひときわ目立つ新しいマシンVM53R。自分が生みだした機械の前に、たくさんのお客様が集まっている。評判も上々だ。展示会の後、注文も入り始めた。デビュー戦の成功によって、村上はようやく人心地つくことができた。

常識にとらわれない柔軟なエンジニアを求ム。

お客様のオプション対応など、まだまだVM53Rの開発業務は続いているが、この怒濤の数ヶ月を振り返り、村上はこう語る。 「もちろん責任は重いけれど、自由にやらせてもらえるのがOKKの開発の醍醐味だと思います。自分の考えを設計に反映させられることが、何よりこの仕事の面白いところです」と。
「私は車をはじめとするメカが好きで、設計の仕事がしたいと思いOKKに入社しました。けれど、これから求められるのは、機械の知識だけでなく、幅広い知識を持ち、常識や既成概念を取っ払って発想できるエンジニアだと思います。そんな後輩と一緒に仕事ができるのを楽しみにしています」。

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